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人質事件の備忘録 (まとめ)

日本の首相 安倍晋三という人は「世界列強に肩を並べたい」という強い願望をもった人だと云われる。第一次安倍内閣のときに「戦後レジーム」という今まで政界になかった言葉を使い始めた人だった。国民が望みもしない「戦後レジームからの脱却」、国民意識と離れた政治的美意識=「美しい日本」として世界列強の仲間入りを果たすこと。もともとそれが敗戦国日本の総理大臣であった祖父以来の「すり込み」でもあり その意味でも安倍晋三はナルシシストだと宮崎駿監督が指摘する根拠の一つにもなっていた。


その彼にしてみれば、、、テロと戦う「有志国連合」に入れない日本の法律上のもどかしさを、 エジプトで「テロリズムと闘う」ため「2億ドル供与」資金援助を宣言することで積年の思いを晴らし、同時にアメリカが提唱する有志国連合に賛助できたことは彼にとっての「栄誉」であり「世界に向けた示威」にもなった。 いかにもナルシシストらしい彼の「列強に並ぶ」という心理・筋書きが中東外遊にて成り立ったというわけだ。


だから外務省の情勢分析による「紛争地の危険」「政治的な危惧」をよそに 経済界を引き連れ中東に飛んで 彼の美意識の一つ「世界の人」になろうとしたのである。 ただ、それが引き金となって、首脳陣空白のひざ元で 「昨年11月から人質交渉中だった メールのやりとりも中東に飛ぶ前日まであった」と外務官僚から毎日新聞にリークされ人質解放交渉をストップさせる動因となり、二人の命をも止める誘因ともなったのである。 


舞台裏でアメリカが出した指示は「身代金による人質交渉はしないこと」 だから 「犠牲もやむなし」 との既定路線が11月の時点から既に首相の腹づもりにはあったと思われる。だから、人命救助に励むことをせず 予定通りに勝てる算段で衆院解散をし年末総選挙を挙行し 勝利した勢いで中東に行ったのである。手土産はODAの軍事関連拠出とテロ対策支援、見返りは原子力発電所建設と新幹線や技術の輸出にあった。


計算外だったことは イスラム諸国にとって中立的立場にあった日本のイメージが、 イスラエル国旗の前で演説した安倍晋三によって「ISISの敵国 日本」と化した瞬間だった、と同時に、イスラム圏の人達にとって「日本はイスラムの敵」とも思わせたんじゃないだろうか? アラブ問題の根源が「パレスチナ問題(イスラエルとの確執)」であるとことを考えると 日本の首相がイスラエル国旗の前で演説したということは「あまりにも軽率」だったと言わざるを得ない。 


もしあのとき、イスラエルに飛んで「世界の人」にさえならなければ「人質事件」は別の筋書きになっていた・・・、いや?仮に?年末総選挙を決行していなければ?人質問題に関してはガラリ違う筋書きになっていたはず。それにしても、結果は最悪だった。身代金交渉を喜ばないアメリカは斬殺された直後に「後藤健二 賛美」のメッセージを表明し、世界的に諜略的?と訝るほど「KENJI 美化」モーションが進行した。


だが日本の国民には 何故 人質解放交渉を極秘裏にしたのか?理由が政府の言う「人質の安全、人命にかかわるから」というのであれば 何故 外務官僚が毎日新聞に昨年からの人質交渉、ISISとのメールのやりとりなどをリークせざるを得なかったのか? 基本的に何故 自国の国民を助けないのか? 何故 あの時 解散で、総選挙で、中東外遊だったのか?という疑問を残すことにもなった。この疑問を説明できる「真理」を望まない日本人はいないだろう。日本には「知る権利」を求める国民は少なくともいる。


今思えば、ただただそれは「右傾化の機運」だったのでは?、政治家の勘といえばいいのか、その機運を逃せば 改憲ができない そんな思い一筋だったのではないだろうか? そこに湯川、後藤の人質事件は「戦後レジームを変える一世一代の筋書き」を画するナルシシストにとって、どんでん返しにもなりうる大きな事件だったということだろう。 あるべき「美しい日本」の総理総裁 安倍晋三にとって「邪魔者」以外の何物でもなかったはずである。


あちこちニュースやコメントを読むと 外野の私でさえ こういう「流れ」が読めてくる。古賀茂明氏のインタビューがブログ「世に倦む日日」の内容を別角度で裏付けてくれるので じっくりと 読んでみてください。たぶん これほどの政治事件は滅多に起きないでしょうから・・・、そしてこの事件が 平和憲法を改悪するはしりとならないことを 切に願ってやみません。


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by tabi-syashin | 2015-02-20 18:26 | colum | Comments(0)