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テントの中の新年会

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前回の投稿で 山岳会の思い出話をしていたら・・・、あんた後ろ向きだよ! とのきついご指摘があったので・・・、まあそんなこともないのだけど 見る人にはそう見えるのかもネ。ならば場面を変えて 珍しい宴会シーンもご披露したい(笑)

それらの古いフィルムのなかで 山岳会の新年会の写真があったのでデジタル化して、新年会とはどういう催しなのかをお見せしたいと思う。なんといっても山岳会の新年会なので 街の中でやる宴会とはよほど趣きの違うものなので ここは一興で観てもらいたい。
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場所は蔵王の山中、エコーラインの道路上であろうと思われる場所。想像してもらいたい。2人一組になって肩を組んで、ワッセワッセと適当に雪を踏み固めて 宴会兼宿泊のテント場をつくる。雪上に張るのは「かまぼこテント」。通称“かまてん”といわれる大きな遠征用テント。南極越冬隊も使ったといわれるもので、20名も横一列で寝ることができる。いわゆるドーム型テントとはちと違う。これを宴会の時は設営する。

グラスファイバーの骨を差し込んで設営する。総重量は20kgもあるだろうか?畳を8枚ほど並べたほどの広さが悠にある。トイレを掘ればほぼ完成である。カマテンなくして、いや、このサイズなくして 山岳会の宴会は始まらない気がする。
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主役は「キムチ鍋、牛乳鍋、持ち込み煮物料理と愛飲酒と山の歌」。それに新人と先輩格とが宴会をしながら、思い出話と次山行の夢とが徐に披露されたりするのである。この時は 東北大のワンゲルOBが2名参加、男くさい集まりになるのは想像するに難くない。

新人にとっては末恐ろしい山男の厳つさと熱い人情とのギャップに触れ、ジーン、ほろりと心を騒がすシーンにも遭遇する。今の時代に 何と古き佳き伝統があるのだろう、山岳会のアナログ部分はとても人間的で、現代の若者には味わうことが最早できないものとなった。それだけにカマテンの夜は物語、秘話をたくさん生むのである。
by tabi-syashin | 2012-03-08 13:06 | Mount | Comments(0)