人気ブログランキング |

そろそろ朝日にでかけるか⑦ 1996年正月合宿

ブログ再編の為 既出の記事(2012年03月12日)を、 「そろそろ朝日にでかけるかシリーズ」 に組み込んでみた。これで、朝日に傾注していた昔日の在籍山岳会の様子が少しだけでも 関連付けて分かるはずだ。この再編集で「そろそろ朝日にでかけるかシリーズ③」の文中に出てくるリンク印*と照合するはずだ。

d0237340_0201562.jpg

机の奥から、珍しいネガフィルムが出てきた。どうやらY山岳会在籍時代の正月合宿出発模様らしい。1996.12.30、、、この年の正月合宿は例年の大井沢あたりではなく 夏と同じ山域、大鳥から しかも茶畑山からの以東岳ピストン山行だった。さっそくスキャナーで読み取り、デジタル化してみた。フィルムスキャナーは EPSON GTX820(6400dpi)。ゴミも映ってしまうが ゴミ取りの時間がないので勘忍ねがう。1枚目は山形県大鳥地区の旅館朝日屋。2枚目以降は朝日屋旅館から繁岡地区の最奥地点まで進み・・・、晩秋に依頼してあった民家の空き地に車をデポして、山行出発直前の装備を整えているところ だろうか。

d0237340_0205098.jpg

当時の仙台Y山岳会は会山行 個人山行ともに活発に計画されていて 会員数も現役会員・OBともに多く、良き時代だった。珍しいのは下の集合写真で・・・山岳会の歴代運営委員長が七人も写っている。夏の沢登りも冬のスキー山行も「朝日連峰」山域が多く組まれた時代。前年は八久和川水系湯井俣川で終始したと思うしその翌年も八久和だった。両年の股に挟んだ冬合宿も2年連続で朝日連峰 明けても暮れても朝日、朝日だった。。

d0237340_0211424.jpg

この翌々年の1998夏合宿中、八久和川の各支流に入渓中の各パーティに無線が飛んだ。「海外遠征中のSが遭難した」・・・、この写真の彼は微笑んではいるが。仙台からの急報伝令は早朝に仙台を発ち大井沢に出向き、障子ヶ岳に登って山頂から10時の定時交信に間に合ったというから さぞ心臓破りの任務だったことだろう。合宿3日目、既に八久和川から出合川の戸立沢に進んでいたパーティーは、無線受信後にオツボ峰経由大鳥池泊での下山計画に変更し、主流を辿るパーティは天狗角力取山の急登から竜ヶ岳経由でそれぞれ急ぎの下山となる。

Sが遭難した山は中央アジアのキルギスタンとタジキスタンとの国境にあって輸送経路がカザフスタンからウズベキスタンとキルギスタンを通過し、内戦中のタジキスタンとの国境線を軍用ヘリで通過しなければならんという所で これらの情勢が遺体の引き取りに相当な決意を覚悟させていた。結果は各国との了承をとり、さなかカザフ軍のヘリを飛ばすことになるわけだが。これが他国の領土をまたがって飛行する為に アラブゲリラとの予期せぬ戦闘など日本では考えられぬほどの危険性や事務手続きや国を相手の気遣いがあった。

遺体引き取りという遺族の意向に関わらず、現地で荼毘にふされるか 現地の葬儀形式に倣うかであったわけだが、遺族の要望どおりに遺体収容となれば必至の使命感が漂ったのも当然だった。それらを外務省に伝え現地の駐在員とのやりとりも不良な通信事情などもあってこれまた大変だった。アラブゲリラの戦局を掻い潜っての外務省カザフ大使館員の物怖じせぬ行動力や KDD電話交換手の現地語対応などにて念願の遺体収容ができたわけだが 外務省日本大使館ならびに関係各国の皆々さまには言葉に尽くせぬほどのお世話になった。当時を偲べば歯がゆかった自分が居て、今でも無性に涙がでてくる。
 
仙台での遭難対策本部を担う自分ゆえに経過を克明に覚えているわけだが ロシア語交じりの国際電話に苦労させられた、、、まるで通じないのだ。カザフスタン、、、じつに遠い国だった。一週間後、日航機が成田に到着した時には緊張から解放されてか 皆がいる前でボロボロと泣いてしまった。その後 カザフのとなり内戦中のタジキスタンで、お世話になったA大使館員が凶弾に倒れた・・・とNHKニュースで報じられた。Sの遭難から僅か数ヵ月後のことだった。

d0237340_024327.jpg


この写真一枚が手元に残っていることで 当時の記憶が蘇ってくる。Sは塩釜高校教員として岩ヶ崎から転任したばかりだった。まあ 写真の威力とはそういうものなのだが、、、、その渦中に自分が居るということが事実を次代に残す役目を持たされたことにもなる。 これだから、とうてい写真は止められない。僕はこの遭対本部を終えてから数年間、 山に向かおうとさえ思わなくなってしまった。
d0237340_0215095.jpg

トラックバックURL : https://tabilogue.exblog.jp/tb/15531488
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by tabi-syashin | 2013-06-24 13:34 | Mount Asahi | Trackback | Comments(0)