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七ヶ宿から 南蔵王二ツ森山 (1995.02.11~12)

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北峰への途中、不忘から刈田、熊野岳まで一望にできる
CONTAX TVS , Kodak 400


出羽ノ国の諸侯たちが参勤交代で本陣を設けた七ヶ宿。有名な安藤家を過ぎるころには各家の軒下は1mもの積雪になっていた。町興しのキャンペーンなのか?どの家も門前に可愛い雪だるまをこさえていた。一里一尺の喩えどおり奥まれば奥まるほど雪の嵩は増し 除雪の行き届いた道も圧雪状態になってきていた。

滑津宿に至り、滑津大滝手前の板滑橋を渡る辺りが大深林道の入口である。林道は古河林業さんが冬でも材木の伐りだし作業をやっているので、タイヤチェーンをつけたランドクルーザーは易々と古河林業大深沢作業所まで入ることができた。古河林業さんへは事前の連絡が必要で、この日は祝日なので駐車場使用の許可を得ていた。

じれったい動作を繰り返す新人の島田君に対し 東北大ワンゲルOBの中島君が小まめに手ほどきをしている。それでも出発に時間がかかってしまった。スギ花粉が今にも弾けんばかりの林道を杭沢との二俣まで急ぐ。進行方向にまっすぐ伸びた尾根が視界に入る。その方向を囲むように 右にフスベ山、左手奥に番城山が緩く構えている。

二俣手前の広場のような雪原にうまい具合に掘っ建て小屋みたいな粗末な小屋があり、そこにアプローチに使ったスキーを格納し 明日の帰路に再び引っ張り出すことにした。そこから二ツ森山への直登尾根、大深沢と杭沢の分岐は直ぐだ。渡渉も簡単だった。 これは実にラッキーだったなぁ。

1000mまで一気に登りたかった。中年組の僕と嶋津だけが順調なペースで若手よりも早く、パーティは縦に伸びてしまった。中島君は必死についてきているという状態だったし 新人の島田君は雪庇の通過も強引だった。ともあれ なんとか直下まで順調だった。

途中休憩時に 現在地とこれから進む方向とを地形図と磁石とで定める訓練もした。休憩に入る前に読図と磁針計だけで、周囲の景色を見ずに進行方向を定める訓練だ。現地点から10m先、20m先に進行方向を定めた赤布や旗竿を立て、それを済ませた後に休憩に入る癖付け。 これを「冬山の旨」とするよう指示、会得訓練もした。

たかだか10分の休憩中にも 急激にガスに巻かれ方向を見定められないことがザラにあるからだ。仮にこれが「尾根下り」だとしたら ミスに気付いて戻れるうちなら(体力のあるうちなら)いいだろうけど そうは得てして問屋が卸さないのも冬山の常識だ。登り返す勇気があればいいが それも進路が明確な場合のみ、赤布を打つということは冬山・藪山では保険のようなものだ。

二ッ森の南峰 頂きにテントを張った。食事の作り方 水のこさえ方 食器の片づけ方 トイレの設置など生活技術を 新人君へ一応の指示は中島君に任せ 嶋津と酒をいただきながら 明日の行動予定などを打ち合わせた。翌朝 二ッ森の北峰、不忘の右手より朝日が差す。 不忘の肩から熊野岳の軍艦のような山容まで じっくりと味わった。昨夜は 酒の勢いもあって?番城山までピストンするような話しだったが 輪カン踏破で往復5時間?、冷えた頭で計算して?・・・ほいじゃまた 来年にでも! てなわけで一転、また出直すことにした(笑)


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番城山。片道3時間ぐらいかかる。また 七ヶ宿の滑津大滝からも登れる。


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直登尾根の c838 地点で赤布の旗竿を立て、 新聞を広げ休憩するパーティが・・・? イヤ 地図読みの訓練でした。新人君には 進行方向に旗竿を立てる練習をしてもらった。


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上の写真が 大深沢徒渉箇所になります。小沢の真ん中に岩があって渡りやすかった。林道をさらに進めば もっと楽に渡れそうな気がする。


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山スキーをデポした掘っ立て小屋


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車をデポした古河林業さんの大深沢作業所。車を作業所前に置く場合には 古河林業さんに前もって電話しておくこと。
by tabi-syashin | 2014-02-08 19:11 | Mount MINAMI ZAO | Comments(0)