2012年 12月 12日
高レベル放射性廃棄物を処分する方法が無い (まとめ)
エキサイトコラム記事(12/12) まとめ
●高レベル放射性廃棄物とは・・・核燃料を原発で燃やすことで生まれる使用済み燃料のこと
使用済み燃料から新たにウランとプルトニウムを取り出す再処理作業から出る
高濃度の廃液をガラスで固めたガラス固化体など、放射線量が極めて高い物質を指す
●この物質の毒性とは・・・人が近づけば1分以内で死に至るというレベル
円筒形をしたガラス固化体1本(直径43cm×高さ134cm、重さは約500kg)の
放射能量は製造直後で2京ベクレル、金属パックされた表面の放射線量は毎時1500シーベルト
●使用済み燃料やガラス固化体の表面温度は・・・非常に高い
使用済み燃料プールの中で数年間冷却し その後は
青森県六ヶ所村 貯蔵施設(容量3000㌧ 現在2937㌧ 年内に九州から18㌧運ばれ、残り45㌧)
茨城県東海村 貯蔵施設の其々で30年から50年間、冷却し最終処分となる
●高レベル廃棄物の最も厄介な点は・・・数万年~10万年、人間環境から隔離が必要な点
理由:使用済み燃料の場合、放射能の毒性が減少するのに10万年の年月を要する
ガラス固化体の場合でも、数万年を要する
●2011年12月末時点・・・日本の高レベル廃棄物の総量は約27000トン
世界各国の高レベル廃棄物の総量は25万トンともいわれるので、
世界の約10分の1強が“日本のゴミ”にあたる
●この高レベル廃棄物の最終処分方法について
① 深海への海洋投棄
しかし海洋汚染を防止するためのロンドン条約が1972年に採択
75年には高レベル廃棄物、93年にはすべての放射性廃棄物の海洋投棄が禁止された
日本は75年の決定を受けて地層処分を進めることになった
② 地層処分(放射性廃棄物を地下深くに隔離する)
低レベル廃棄物の場合には、浅い地中に埋設する地中処分という方法が採られる
射能レベルが極めて高い廃棄物については、地下300m以深の安定した岩盤に埋設
2000年制定の「最終処分法」で定められている
●2012年9月、日本学術会議・・・「地層処分の安全性を認めることはできない」と声明
3.11の大地震と津波を予知できなかった科学的知見の限界を認め、
地震国日本では10万年先までの月日を要する地層処分の安全性が保証できず
「再考の必要がある」と結論づけた
●危険すぎる原発ゴミを大量に抱えたまま、処分方法も定まらない・・・それが日本の現状。
●原子炉を1年運転すると・・・
長崎型原爆が 1万発作れるほどのプルトニウムが生まれるという事実
広島型原爆の 4万発分の核分裂生成物(死の灰)がつくられるという事実
●今原発を止めたとしてもプルトニウムを最終処理しない限り、核は永遠に消滅しない
事実を隠された国民には想像がつかない
作るのも人間、それを止めるのも人間 = 原発事故が「人災」といわれる根拠